沖電気工業株式会社(社長:篠塚 勝正)は、このたび、半導体生産拠点である宮城沖電気において、ホトリソ工程におけるクリーンルーム空気中のアンモニアなどの不純物イオン除去強化対策に、産業廃棄物を出さないケミカル除去冷却装置「ディケミクーラ(R)」を導入しました。従来のケミカルフィルタ(注1)を追加導入した場合と比較して、CO2換算(注2)で年間62トンにあたる72%の環境負荷低減を実現しました。ケミカルフィルタ交換が不要なうえ、既設ケミカルフィルタの寿命を1.7倍に延ばす効果があり、年間約630万円のコスト削減が見込めます。
半導体生産工場においてデバイスの高性能化やプロセスの微細化に伴い、製品に対するクリーンルーム空気中の不純物イオン汚染防止は、以前に増して重要な課題となっています。従来は、循環空気のファンフィルタユニットなどに、ケミカルフィルタを設置して不純物イオンを除去していました。ケミカルフィルタ方式では、高価なフィルタの定期交換や、交換時期判断のための定期的な空気等の分析が必要です。交換作業もクリーンルーム内で実施するため、膨大な時間と手間のかかる作業となっていました。また、使用後のフィルタは産業廃棄物となるため、廃棄物削減の大きな課題となっていました。
今回導入したディケミクーラは、クリーンルーム内の循環空気中の水溶性ケミカル物質を対象として、主要不純物であるアンモニアの濃度低減を主な目的としたケミカル除去冷却装置です。本装置は、アンモニア等の不純物イオンが冷水に溶けやすい性質に着目して開発したもので、循環空気に冷純水を散水して、気液接触により純水中に空気中の不純物を溶解吸収する装置です。本装置の導入により、最大78%のアンモニア除去に成功しました。また、ディケミクーラ通過前後の処理空気温度差は約10℃あり、クリーンルームの冷却機能も果たします。
ディケミクーラを使った不純物イオン除去システムの効果は半永久的で、ケミカルフィルタのように交換が必要な消耗品がなく、メンテナンスフリーで産業廃棄物も出さない、環境にやさしい安全なシステムです。なお、ディケミクーラは、弊社と株式会社大気社(社長:山本 廣、本社:東京都新宿区)が2000年に共同開発したものです。
当社の今回の取り組みは、半導体生産工場における空調・水などの施設管理ノウハウを活用し実現したものです。今後は、さらに研究を進めてCO2とライフサイクルコストの削減を実現するとともに、水や廃棄物のみならず製造工程で使用される化学物質の社内再利用までを考慮した「資源循環型工場」の構築を推進していく計画です。
また、宮城沖電気と共同で今回の導入を担当した、沖電気グループの環境保全を担う株式会社沖環境テクノロジー(社長:立石 喜信、本社:東京都八王子市)では、本システムの販売・導入支援・コンサルティングビジネス展開を計画しており、産業廃棄物を出さない環境にやさしく安全な不純物イオン除去システムの普及を促進します。
【用語解説】
- 注1:ケミカルフィルタ
- クリーンルームにおいて化学的分子状汚染物質を除去するフィルタ。
- 注2:CO2換算
- EIAJ(現JEITA)1999年PFCs除害設備調査結果報告書の表2.5-13(CO2排出係数の算定)による。
【ケミカル除去冷却装置(ディケミクーラ)の概略図】

【不純物イオン除去強化対策システムの比較】
 (a) ディケミクーラを採用した 空調システム |
 (b) ケミカルフィルタを採用した 空調システム |
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- ディケミクーラは株式会社大気社の登録商標です。
- その他、記載されている会社名、製品名は、一般に各社の商標または登録商標です。
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