沖電気工業株式会社(社長 篠塚勝正)は、このたび、中国市場向けに特化した32和音(注1)着信メロディ用音源LSI「ML2871」と16和音の「ML2873」を開発し、今月よりサンプル出荷、8月から量産出荷を開始します。国内半導体メーカで初めて中国市場に特化した着信メロディ用音源LSIで、中国市場の人達の感覚に合う「いい音」に徹底的にこだわり開発しました。なお、本LSIはカシオ計算機株式会社(社長 樫尾和雄)と共同開発したものです。中国メーカのみならず、中国市場に注力している欧州、北米、韓国、日本、台湾等、世界中の携帯電話メーカで既に採用が内定しています。本LSIの今年度販売計画は900万個で、他の音源LSIと合わせて中国音源LSI市場シェアNo.1獲得を目指します。
世界の携帯電話の6割を占めるGSM携帯電話市場において、最大のマーケットである中国では、ユーザニーズの多様化が進み、新機種への買換え需要が盛んで、メーカ各社の機能強化による差別化とラインナップ拡充の競争が加速しています。新LSIは、差別化機能として国内メーカでは初めて二胡(アルフー)、琵琶(ピーパー)、揚琴(ヤンチン)など13種類の中国伝統楽器の音色を搭載しました。また、大きな音量の着信音が好まれる市場特性に合わせてwavetable(注2)を最適化し、携帯電話の小型スピーカでも、従来品から約2倍(+6dB)の音量が得られるようになりました。このほか、中国市場で要求の多かった着信メロディ用8Ωスピーカを駆動可能なスピーカアンプ内蔵も実現しています。
また、ラインナップの拡充を急ぐ携帯電話メーカは、短期間に多くの商品を開発する必要があります。従来の音源LSIでは、チップごとに端子や制御ソフトがばらばらで、新しいLSIを採用すると全て新規設計が必要となり、商品開発の大きな負担となっていました。今回の新しい2つのLSIでは、着信メロディ用音源LSIとしては業界で初めて、両LSI間で完全な端子互換・制御ソフトウエア互換を実現しています。これにより携帯電話メーカは、32和音と16和音の商品ラインナップ開発にかかる工数を大幅に削減できるようになりました。さらに両LSIとも、超小型パッケージのW-CSP(注3)と一般的に使用されているQFNパッケージをご用意しており、多様な設計環境に対応しています。
今回の新商品開発にあたって、音源LSI事業責任者を中心として、マーケティングチームと技術サポートチームからなる中国市場に特化したプロジェクトチームを上海に設置しました。これにより、現地携帯電話メーカの多様な要求に、きめ細かく、素早く応える技術サポート体制を充実させるとともに、中国市場の人達の感覚に合う音づくりにこだわった商品をつくりあげることに成功しました。今後は高級機種向けに64和音や高音質の商品を、今回の新商品と端子互換・制御ソフトウエア互換を持たせた商品ファミリとしてラインナップに追加していきます。
弊社音源LSI事業の売上規模は、競争環境の厳しいGSM携帯電話市場を中心に、02年度30億円、03年度100億円超と成長して参りました。今後も「いい音」にこだわり、お客様を主体にした商品を提供していくことで、更なる伸張を目指し、05年度売上150億円を計画しています。
【商品の概要/特長】
- ピアノやドラム等の楽器音を自然でリアルに豊かに再現するPCM音源(注4)方式採用
- ML2871 32和音 / ML2873 16和音
- ML2871を40音に拡張できる組込用ソフトウエアを6月末から提供開始
- 3.6V 8Ωスピーカ駆動時に 550mW出力可能なスピーカアンプを搭載
- GM(注5)サウンドセットに対応(PAN機能を除くGMシステム・レベル1に対応)
- GM対応128音色+GM対応パーカッション47音色+中国伝統楽器13音色=計188音色を搭載
- 効果音や人声の再生用にPCM(注6)および2bit/4bit OkiADPCM(注7)シンセサイザ内蔵
- SMF(注8)、フェイス社の楽曲フォーマット、沖電気独自の楽曲フォーマット等に対応
- 輝度調節可能なLEDドライバ内蔵
- 1.8V低電圧CPUインターフェース対応
【販売計画】
| 商品名: | ML2873 | ML2871 |
| 開発コード: | MB-16S | MB-32S |
| 和音数: | 16 | 32 |
| サンプル価格: | 350円 | 400円 |
| サンプル出荷時期: | 2004年5月 |
| 量産出荷予定: | 2004年8月 |
| 評価ボード出荷時期: | 2004年6月 |
【仕様】
| 動作周波数: | 2.7MHz〜34MHz |
| 駆動電圧: | 2.7V〜3.3V |
| シーケンサ: | 内蔵 |
| FIFOメモリ: | 楽曲データ再生用効果音リアルタイム再生用ADPCM用を内蔵 |
| パッケージ: | 32pin QFN(5mm×6mm)、36pin WCSP(4.6mm×3.6mm) |
【音源サンプル】
※音声ファイルを再生するには再生用のプラグインが必要です。
マイクロソフト株式会社 Windows Media Player のダウンロード
リアルネットワークス株式会社 RealPlayer のダウンロード
【用語解説】
- (注1) 和音:
- 音楽用語での和音の意味とは異なり、携帯電話の着信メロディ用途での和音は、同時に発音する音の数を表す。
- (注2) wavetable:
- MIDI音源や電子楽器で利用されている発音方式。
生音などからサンプリングした音色データをROMファイルに格納し、発音時にD/A変換して再生する。音質は、音色データ用ROM容量、そこに格納する音色データの作成方法、サンプリング周波数(注9)や、音源の方式に左右される。
- (注3) W-CSP(Wafer level Chip Size Package):
- ウェハ状態で一括してパッケージングを行う技術。チップと全く同じ外形寸法にまでLSIパッケージを小型化できる。
- (注4) PCM音源:
- サイン波や矩形波から楽器の擬似音を合成する方式と違い、実際の楽器の音をそのままサンプリングしたデータを用いる音源方式。リアルで豊かな音色表現が可能であることを特長としている。wavetable音源とも呼ばれる。
- (注5) GM(General MIDI):
- 同一楽曲データを異なるMIDI(注10)装置で再生するとき、同様な音楽が再現できるようにGMが考案され、業界標準として全世界で広く普及している。現在、流通している電子楽器やカラオケ用演奏データのほとんどは、GMをベースにしており、GMに対応すればこれらのコンテンツが利用可能となるメリットがある。
- (注6) PCM(Pulse Code Modulation):
- パルス符号変調。
音声信号をデジタル化するために使用される最も一般的な方式。
- (注7) ADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation):
- 適応型差分パルス符号変調。
音が連続的に変化すること利用して、直前に数値化したデジタルデータとの差を記録する音声圧縮技術。OkiADPCMは沖電気独自で開発した方式である。
- (注8) SMF(Standard MIDI File):
- MIDI規格の音楽データを扱う際の標準的なファイル形式。
楽曲データを編集するソフトウエアやプレーヤの多くがSMFフォーマットに対応しており、異なるエディタのユーザ間でデータをやり取りする場合や、不特定多数の人にデータを公開する用途に適している。GMで作られた曲のほとんどがSMFフォーマットである。
- (注9) サンプリング周波数:
- アナログ信号をデジタル信号化する際、1秒間に行なうサンプリングの回数を示す。サンプリングレートとも言う。
- (注10) MIDI(Musical Instrument Digital Interface):
- AMEI(音楽電子事業協会)が規格化した、MIDI装置間を接続して楽曲データをやりとりするための規格。楽音のon/off、音色チェンジなどのデータを送受信する通信手順が定められている。


沖電気では、思わず踊り出したくなるような音楽を奏でる沖音源LSIを表す「Swing'nRinger(TM)」(スウィンギンリンガー)の愛称のもと、自然でリアルな音を再現するPCM方式の音源LSIを世界の携帯電話機市場に提供しています。
- Swing'nRingerは沖電気工業株式会社の商標です。
- その他、記載されている会社名、製品名は一般に各社の商標または登録商標です。
本件に関する報道機関からのお問い合わせ先
広報部 電話:03-3580-8950
本件に関するお客様からのお問い合わせ先
シリコンソリューションカンパニー販売本部 企画部第二チーム
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