沖電気工業株式会社(社長 篠塚勝正)は、64和音(注1)に対応した着信メロディ用音源LSI 「ML2864」(以下本LSI)を開発しました。弊社従来商品と同様、高音質なPCM(注2)方式を採用し、世界標準のGM(注3)システム・レベル1に対応した音源LSIです。 本LSIは2003年12月からサンプル出荷、2004年3月から量産出荷を開始します。なお、本LSIは既に欧州、北米、中国、韓国、日本の数多くのお客様で採用が内定しており、今後さらに拡販を行っていきます。
弊社従来商品であるML2860およびML2870Aは、高音質かつGMおよびSMF(注4)の標準仕様への対応により、GSM(Global System for Mobile Communications)携帯電話機市場において数多くのお客様に採用されています。このGSM携帯電話において最大のマーケットである中国で、より高機能な携帯電話への買い替え需要が拡大しています。着信メロディにおける高機能化の一環として、日本・韓国同様に和音数の増加に対するニーズが高まっています。弊社はその需要に応えるべく、これまでの商品同様、カシオ計算機株式会社殿と共同で、本LSIの開発を行いました。
ML2864は機能面においては、和音数を32から64に増やした以外、ほとんどの機能において既存商品との互換性を確保しています。従来と同様のwavetable(注5) ROMを内蔵し、GMとSMFフォーマットに対応しているため、楽曲コンテンツの互換性もあります。一方、特性面においては、これまでの商品に比べてS/N比(注6)、PSRR(注7)等のアナログ特性を大幅に改善しました。また、W-CSP(注8)技術を採用することにより、64和音の音源LSIでは、業界最小の5ミリ角を実現しました。
沖電気では、思わず踊り出したくなるような音楽を奏でる沖音源LSIを表す「Swing'nRinger(TM)」(スウィンギンリンガー)の愛称のもと、自然でリアルな音を再現するPCM方式の音源LSIを世界の携帯電話機市場に提供してきました。高音質を提供するML2864により、GSM、CDMAを中心とした携帯電話機市場での音源LSI事業を拡大していきます。
【商品の概要/特長】
- ピアノやドラム等の楽器音を自然でリアルに豊かに再現するPCM音源(注9)方式採用
- 完全64和音
- GMシステム・レベル1に対応
- GMに対応した128音色+パーカッション47音色で175音色を実現
- 効果音や人声の再生用にPCMおよび2bit/4bit OkiADPCM(注10)シンセサイザ内蔵
- SMF、フェイス社の楽曲フォーマット、沖電気独自の楽曲フォーマット等に対応
- 輝度調節可能なLEDドライバ内蔵
- 1.8V低電圧CPUインターフェース対応
【当社従来商品との比較】
| | ML2870A(従来商品) | | ML2864(新商品) |
| 音色 | 175音色=楽器128音色+打楽器47音色 |
| 同時発音数 | 16音色32和音 | 16音色64和音 |
| 音域 | 8オクターブ |
| SMF | 対応 |
| GMシステム・レベル1 | 対応 |
| ADPCMシンセサイザ | 有り |
【本LSIの仕様】
| 商品名: | ML2864 |
| 和音数: | 64 |
| 動作周波数: | 2.7MHz〜34MHz |
| 駆動電圧: | 2.7V〜3.3V |
| シーケンサ: | 内蔵 |
| FIFOメモリ: | 楽曲データ再生用、効果音リアルタイム再生用と、ADPCM用を内蔵 |
| パッケージ: | 49-pin W-CSP |
【販売計画等】
| サンプル出荷時期: | 2003年12月 |
| 量産出荷予定: | 2004年3月 |
| 評価ボード出荷時期: | 2003年12月 |
| サンプル価格: | 950円 |
| 生産数量: | 量産開始時月産200万個 |
【用語解説】
- 注1:和音
- 音楽用語での和音の意味とは異なり、携帯電話の着信メロディ用途での和音は、同時に発音する音の数を表す。
- 注2:PCM(Pulse Code Modulation)
- パルス符号変調。音声信号をデジタル化するために使用される最も一般的な方式。
- 注3:GM(General MIDI)
- 同一楽曲データを異なるMIDI(注11)装置で再生するとき、同様な音楽が再現できるようにGMが考案され、業界標準として全世界で広く普及している。現在、流通している電子楽器やカラオケ用演奏データのほとんどは、GMをベースにしており、GMに対応すればこれらのコンテンツが利用可能となるメリットがある。
- 注4:SMF(Standard MIDI File)
- MIDI規格の音楽データを扱う際の標準的なファイル形式。楽曲データを編集するソフトウェアやプレーヤの多くがSMFフォーマットに対応しており、異なるエディタのユーザ間でデータをやり取りする場合や、不特定多数の人にデータを公開する用途に適している。GMで作られた曲のほとんどがSMFフォーマットである。
- 注5:wavetable
- MIDI音源や電子楽器で利用されている発音方式。生音などからサンプリングした音色データをROMファイルに格納し、発音時にD/A変換して再生する。音質は、音色データ用ROM容量、そこに格納する音色データの作成方法、サンプリング周波数(注12)や、音源の方式に左右される。
- 注6:S/N比(Signal / Noise Ratio)
- シグナルとノイズの比率。この値が高いほど高音質である。
- 注7:PSRR(Power Supply Rejection Ratio)
- 電源電圧の変化により、入力オフセット電圧が増減する割合を表す値。
- 注8:W-CSP(Wafer level Chip Size Package)
- ウェハ状態で一括してパッケージングを行う技術。チップと全く同じ外形寸法にまでLSIパッケージを小型化できる。
- 注9:PCM音源
- サイン波や矩形波から楽器の擬似音を合成する方式と違い、実際の楽器の音をそのままサンプリングしたデータを用いる音源方式。リアルで豊かな音色表現が可能であることを特長としている。wavetable音源とも呼ばれる。
- 注10:ADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)
- 適応型差分パルス符号変調。音が連続的に変化すること利用して、直前に数値化したデジタルデータとの差を記録する音声圧縮技術。OkiADPCMは沖独自で開発した方式である。
- 注11:MIDI(Musical Instrument Digital Interface)
- AMEI(音楽電子事業協会)が規格化した、MIDI装置間を接続して楽曲データをやりとりするための規格。楽音のon/off、音色チェンジなどのデータを送受信する通信手順が定められている。
- 注12:サンプリング周波数
- アナログ信号をデジタル信号化する際、1秒間に行なうサンプリングの回数を示す。サンプリングレートとも言う。
- Swing'nRinger(TM)は沖電気工業株式会社の商標です。
- その他、記載されている会社名、製品名は一般に各社の商標または登録商標です。
本件に関する報道機関からのお問い合わせ先
広報部 電話:03-3580-8950
本件に関するお客様からのお問い合わせ先
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