 「まず貼る一番(R)やわらかシール」で 熱対策をした部品 |
沖電気工業株式会社(社長:篠塚 勝正、本社:東京都港区)は、セラミッション株式会社(社長:太田 明、本社:東京都港区)と共同で、このたび、電気・電子部品が動作中に発する高熱を放熱する新素材で、曲面にも貼れてハサミで切れる、やわらかなシールタイプの放熱材「まず貼る一番Rやわらかシール」の開発に成功しました。新製品は、先に両社が開発した、塗るだけで高い熱放射(注1)特性を実現する液体セラミック塗料「セラックαR」の応用製品で、今月より出荷を開始し、2003年度に「セラックα」関連で10億円の販売を計画しています。
液体セラミック放熱塗料「セラックα」は、熱を遠赤外線にして放熱するセラミックの優れた放射特性を活かしつつ、常温レベルで50µm〜150µmの薄膜形成を可能とした環境にやさしい無機系塗料です。電気・電子部品の発熱対策で最も必要とされる80℃前後において、0.9〜0.95の極めて高い熱放射率(注2)を実現しました。これにより動作中に発する高熱を5〜20%程度低減し、従来のヒートシンクとの代替が可能となり、ファンを使用できない機器では、きわめて有効な熱対策となります。また、部品の熱損失を抑制できるため、電気・電子部品及び装置の小型軽量化、静音化、長寿命化、高機能化、省エネルギー化を実現します。
新製品「まず貼る一番やわらかシール」は、「セラックα」を無機系薄型シートに塗りシール化したものです。地方自治体への届出義務のあるPRTR法(注3)で指定された、特定化学物質を含まない無機系材料を使っているため環境にやさしく、グリーン調達にも対応しています。0.3mmの薄さで折り曲げやひっぱりに強く、ハサミでも切れるため様々な形の放熱シールとして、必要なところに自由に貼ることができます。アルミ、ステンレスはもとより、塗料では塗りにくかったり、剥がれやすかったりした、銅、ニッケルメッキ鋼板、エポキシ樹脂などにも使えます。さらに、業界基準である絶縁テープの難燃性規格UL-510(FR)相当に準拠しており、燃えにくく、120℃の高温でも使えますので、電気・電子部品の放熱対策に最適です。
対象素材を選ばない「セラックα」の応用範囲は大変広く、電子部品から電源装置、照明機器、自動車等あらゆる分野での活用が可能です。両社は、まず電気・電子機器市場を中心に販売を開始し、その後本技術をベースとした各種素材への対応、また発熱部品への液体セラミック塗料の塗布サービス等をEMSとして提供していきます。
【「まず貼る一番やわらかシール」の概要】
標準価格:オープン
出荷時期:2003年10月
販売目標:年間10万シート(30cm×40cm)
厚さ:0.3mm
サイズ:最大300×400mm(任意加工可能)
耐熱:120℃
絶縁性:1×1011Ω以上
【セラックαの主な特徴】
- 高い放熱特性
- 放射熱伝達(熱エネルギーの電磁波変換)を利用した放熱(塗膜放射率0.9〜0.95)
- 熱低減効果は5〜20%
- 部品動作熱の冷却により熱損失を低減
- 薄型ヒートシンクによる軽薄短小・軽量化の装置設計を可能にする30%程度の実装スペース削減
*デバイス素子の事例
- 優れた施工性:セラミックでありながら常温でも薄膜(50µm〜150µm)形成可能
スプレー、印刷、ディッピングなど多様な施工が可能
- 優れた柔軟性:ほとんどの素材へ施工可能
- 優れた塗膜信頼性:電子通信機器レベルの高信頼性試験を合格
【アライアンスの役割分担】
沖電気工業株式会社:製品開発/量産/販売
セラミッション株式会社:素材開発
【セラミッション株式会社概要】
本 社:東京都港区南青山2-12-15
電 話:03-3423-5588
代表者:太田 明
創 業:平成14年4月10日
資本金:1億4000万円
従業員数:9名
事業内容:液体セラミックの研究・開発、特許権の取得・保有・運用、製造及び販売
- (注1)熱放射:
- 熱エネルギーの電磁波変換による熱放出。
- (注2)熱放射率:
- 物体が熱を帯びているときに出す赤外線の強さを表す数値を、理想黒体を1.0(100%)としたときの比率で表したもの。「理想黒体」とは実際には存在しない理論上の理想的な放射体のこと。同じ温度でも物体の材質や表面状態などにより、発せられる赤外線量は異なる。
| (熱放射率例) | アルミ(研磨面) | :0.04 |
| SUS403材(加工面) | :0.07 |
| モールド樹脂 | :0.85 |
- (注3)PRTR:Pollutant Release and Transfer Register
- 有害性のある多種多様な化学物質が、どのような発生源から、どれくらい環境中に排出されたか、あるいは廃棄物に含まれて事業所の外に運び出されたかというデータを把握し、集計し、公表する仕組み。地方自治体への届出義務がある。
<資料>
- セラックαの放熱メカニズム
| 従来型放熱(伝導+対流) | 新型放熱(放射) |
 |  |
解説:
従来の熱対策においては、"伝導+対流"(ex. ヒートシンク+自然対流または空冷ファン)が使用されていました。この放熱のメカニズムについて解説すると、まずIC内部発熱源からの熱は熱伝導によりIC表面まで運ばれます。同様に熱伝導によりこの熱はIC表面よりヒートシンク表面まで運ばれます。ヒートシンク表面まで運ばれた熱は対流により周囲空気へ放熱されます。熱伝導とは固体中の分子運動伝播による熱エネルギーの伝播であり、固体中分子がその位置を変えることができないことより、徐々に伝播されます。対流とは熱エネルギーをもった分子が移動することによる伝播であり、流体内分子は自由に動き回ることができるため、空冷ファンなどにより強制的に流体を動かす場合、その効果は大きくなります。
一方、セラックαを使用した熱対策は、セラックαのもつ熱放射(熱輻射)特性を利用した新方式の熱対策となります。IC内部発熱源からの熱は熱伝導によりIC表面及びセラックα塗膜まで運ばれます。セラックαへ運ばれた熱は、放射熱として放熱されます。熱放射とは熱エネルギーを電磁波へ変換した、光のエネルギーとしての放出です。
- セラックαの放熱特性
ステンレス材ブロックヒータへの"まず貼る一番"放熱特性測定データ
ヒータ中心部温度を測定。(測定雰囲気温度25℃)

解説:
上図はセラックαを使用したアプリケーション"まず貼る一番"に関する放熱特性データであり、SUS材ブロックヒータへの貼り付け有・無状態でのヒータ中心部温度比較をしています。測定は雰囲気温度25℃無風状態の環境下で実施しています。
また、ブロックヒータへの印加電力は2W・5W・8W時の温度定常状態(電力印加より2H後)を測定しています。
この結果より貼り付け無に対し、貼り付け有は各印加電力において20%前後のヒータ温度の低減があることが解ります。つまり、冷却が必要な発熱体部品・装置にセラックαを直接塗布、又は"まず貼る一番"を貼り付けることによって発熱体部品の内部温度を低減することが可能です。
- 用語解説
- ヒートシンク:
- LSIパッケージや、電子機器から発生した熱を、外部へ放熱するためのデバイスで、放熱器ともいいます。一般的には、空気による熱伝導を使って、発生した熱を空気中へ拡散させます(空冷)。ヒートシンクには、多数のフィン(ひれ)を付けて表面積を大きくした金属ブロックが使われます。発生する熱が、空気の自然対流だけで放熱できないときは、さらに電動ファンを使って強制的に空冷します。
- 空冷ファン:
- 熱を発生する部品を冷却したり、内部で発生した熱を外部へ排出するために利用される、換気・送風用のファンのことです。
- 「セラックα」及び「まず貼る一番」は、セラミッション株式会社の登録商標です。
- その他、記載されている会社名、製品名は一般に各社の商標または登録商標です。
本件に関する報道機関からのお問い合わせ先
広報部 電話:03-3580-8950
本件に関するお客様からのお問い合わせ先
生産サービスカンパニー EMSビジネス本部
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