沖電気工業株式会社(社長:篠塚 勝正)は、このたびSIP(注1)をベースとする音声通信(VoIP(注2))と情報(Web)のアプリケーション/サービスを融合するプラットフォームであるアプリケーションサーバ「CenterStageR AS」を国内で初めて開発しました。「CenterStage AS」は、従来のアプリケーションサーバとは異なり、VoIP APサーバをベースにWeb APサーバを連携させることで、VoIPとWebを融合させたアプリケーション開発を支援する全く新しいコンセプトの商品です。IPネットワーク上で新しいリアルタイムIPコミュニケーションサービスの構築をめざす通信キャリア/ISP(注3)各社に向け本日より発売します。出荷は7月より開始します。また、7月2日から4日まで日本コンベンションセンター(幕張メッセ)で開催される「NETWORLD + INTEROP 2003 TOKYO」に出展します。
通信キャリア/ISP各社では、IP電話サービスの開始が相次いでおります。現在は音声サービスを中心としていますが、今後、映像配信などの情報系サービスとの融合により、単に音声伝達にとどまらない新しい付加価値サービスの創出を模索しています。新サービスの実現にあたっては、インターネットとの親和性や拡張性、柔軟性に富んだSIPが情報・通信融合のコア技術となり、VoIPアプリケーション(以下 VoIP AP)とWebアプリケーション(以下 Web AP)を、より簡単に構築・融合できる開発環境が必要になります。そこで、弊社ではSIPをサポートし、VoIP APとWeb APをより容易に構築・融合できるアプリケーション(AP)プラットフォームとして「CenterStage AS」を開発しました。
今回、販売を開始する「CenterStage AS」は、オープンアーキテクチャの採用により、VoIP APとWeb APを融合させたサービスの実現を短期間に可能とし、さらにサードパーティでも容易にアプリケーションを開発できる環境を提供します。 「CenterStage AS」では、業界標準のSIP API(注4)であるSIP Servlet API(注5)をサポートし、また、SIP Servlet上にVoIP APコンポーネントを標準提供しています。これにより、Web APにおいてリアルタイムIPコミュニケーションを簡単に組み込むことが可能になり、また、VoIP AP の中で様々なWeb AP を容易に利用することができます。従来、Webのシステム開発者にとって困難であった音声・動画像を利用したVoIP APの開発が短期間で簡単に実現できるとともに、プレゼンス情報の交信やインスタントメッセージ(注6)などの様々な双方向型のリアルタイムIPコミュニケーションサービスも容易に構築することができます。
また、「CenterStage AS」はSOAP(注7)による通信をサポートしているため、Web APを提供するWebサーバが、「CenterStage AS」とは別のインターネット/イントラネット上に分散配置されても、VoIP APとWeb APの連携・融合サービスが実現できます。例えば、VoIP APを通信キャリア/ISPの環境上に提供し、そのVoIP APを利用するWeb APをエンタープライズの環境上に構築しても、それらのVoIP APとWeb APはSOAPを用いて連携動作させることができます。これにより、様々な情報系APベンダが開発したWeb APサービスとVoIP APサービスをスピーディーかつ容易に連携・融合することができます。
今後、弊社は「CenterStage AS」をコンシューマ向けのVoIPとWebの融合型APサービスや、エンタープライズ向けASP(注8)サービスを提供する通信キャリア/ISP市場に対して積極的に提供していきます。また、通信キャリア/ISP市場への展開に加え、企業情報システムにおいてVoIP APの統合環境の実現をめざすエンタープライズ市場にも、積極的に提供していきます。さらに、SIパートナとも積極的にアライアンスを進め、共同で市場開拓を図り、情報・通信融合アプリケーションの普及、市場拡大をめざしていきます。
弊社では、現在、新たな情報通信融合商品(アプリケーション、サービス)を創出する基盤となる「AP@PLAT(エーピー・プラット(注9))」を体系化していますが、「CenterStage AS」は「AP@PLAT」の新商品となります。今後、引き続き情報通信融合ソリューション関連の商品を発表していきます。
【販売計画】
| 価格(参考): | 5万加入者、標準構成で9千万円から。 但し、加入者数、動作条件によりハードウェアシステムの構成が異なります。 |
| 出荷時期: | 2003年7月 |
| 販売目標: | 2003年度10億円 |
【CenterStage ASの主な特長】
- 業界標準アーキテクチャの採用による、オープンなAP開発環境の提供:
IETF(注10)で標準化されている最新のSIP標準仕様に基づいたCPL(注11)APIや、Java Community Processで規定されているSIP Servlet APIを採用することにより、サードパーティが容易にアプリケーションを開発できます。これにより、eコマースや企業ポータルへの音声(VoIP)サービスの追加など、様々なアプリケーションサービスが容易に実現できます。
- Java コンポーネント・アーキテクチャによる高拡張性を実現:
SIP Servlet を利用することによりVoIP APの開発およびシステムの拡張が容易に実現できます。また、VoIP APと既存のWeb APとの連携も簡単に実現できます。
- アプリケーション開発をサポートするコンポーネントを標準提供:
プレゼンス(注12)管理やSIPによるWeb通信など、すぐにでも利用したいコンポーネントを、予めSIP Servlet上に用意しています。本コンポーネントはAPの一部として利用することができるため、APの開発期間を大幅に短縮することができます。
- プレゼンスサーバ機能を標準提供:
SIMPLE準拠(注13)のプレゼンスサーバ機能を標準搭載しているため、容易にプレゼンスサービスを実現できます。
- キャリアクラスの高信頼性を実現:
「CenterStage AS」のSIPサーバ部では、負荷分散機能を提供するロードバランサ(注14)と、SIPプロトコルの呼処理を行うプロキシサーバ(注15)、IPアドレス等の加入者情報を管理するロケーションサーバ(注16)機能を提供しています。信頼性の高いサービスを実現するために「CenterStage AS」は、ロードバランサとロケーションサーバの2重化やプロキシサーバの複数台構成により、機器の故障時にもサービスを中断することなく、システム稼動できます。
- ネットワーク規模に応じて最適なモデルを品揃え:
小規模ネットワーク向けのシングルサーバモデルから中・大規模ネットワーク向けのマルチサーバモデルまで、お客様のネットワーク規模に応じた処理能力を持つコストパフォーマンスの高いモデルを選択できます。また、最初にシングルサーバモデルでスタートし、お客様のネットワーク規模の拡大に応じて「CenterStage AS」のモデルを拡張していくことも可能です。
- 各種VoIPプロトコルや公衆網・IP電話網との相互接続が可能:
他の「CenterStage」シリーズ製品と連携することで、MGCP(注17)やH.323(注18)等の他VoIP制御プロトコル準拠の端末とSIP端末の接続を実現します。また、既存回線交換網とSIP端末との接続も実現します。
- 保守運用の一元管理が可能:
保守用インタフェースとして、他の「CenterStage」シリーズ製品と同じ保守システムである業界標準のSNMP(注19)を採用し、統合的な保守作業を可能としています。
【用語解説】
- 注1:SIP(Session Initiation Protocol)
- IETF RFC3261にて定められている、セッションの生成、変更、削除を行うためのアプリケーション層の信号制御プロトコル。SIPは、IETF標準プロトコルであり、VoIPを含む今後のマルチメディアコミュニケーションサービスで主流プロトコルとして注目されています。VoIPのプロトコルには、他にMGCPやH.323があり、これらはIP電話サービスの実現や、既存音声ネットワークとのインターワークに適しています。一方SIPは、セッションの確立・維持・終了のために規定されたプロトコルであり、VoIP向けに特化した規定がないため、MGCPやH.323に比べ、拡張性に富み、今後新たに登場すると思われるアプリケーションにも、柔軟に対応できます。
- 注2:VoIP(Voice over IP)
- IP(Internet Protocol)上で音声をデータ化して伝送する技術。
- 注3:ISP(Internet Service Provider)
- Internet Service Provider の略で、単にプロバイダ とも呼ばれる。 Provider とは 「供給する者」の意味で、インターネットに接続するサービスを提供する事業者を主に指す。
- 注4:API(Application Program Interface)
- OSがアプリケーションに対して公開しているプログラムインタフェース。
- 注5:SIP Servlet API
- SIPメッセージレベルでの呼処理アプリケーション記述が可能な非常に自由度の高いAPI。
- 注6:インスタントメッセージ(Instant message)
- 相手との通信をテキストベースのメッセージでリアルタイムに行うコミュニケーション。
- 注7:SOAP(Simple Object Access Protocol)
- XMLやHTTPをベースに、OSやオブジェクト・モデル、プログラム言語に関係なく、インターネットまたはイントラネットのアプリケーションやサービスの連携を図るためのプロトコル仕様。
- 注8:ASP(Application Service Provider)
- インターネットを利用してアプリケーションソフトウェアの機能をユーザに提供する事業者を主に指す。
- 注9:AP@PLAT
- e社会の実現をめざし、各種コンポーネントやソリューションを"つなぐ"情報通信融合商品(アプリケーション、サービス)を創出するための沖電気のプラットフォーム名。
- 注10:IETF(Internet Engineering Task Force)
- インターネットの標準化組織。
- 注11:CPL(Call Processing Language)
- IP通信サービスの記述・制御を行うためのXMLベースの言語。エンドユーザも着信拒否や着信転送などの条件を細やかに指定することが出来る。
- 注12:プレゼンス:
- 通信相手の状態やネットワークの状態、あるいは利用可能なサービスの情報を常に把握し、管理・通知する機能。
- 注13:SIMPLE(SIP for Instant Messaging and Presence Leveraging Extensions)
- インスタントメッセージングおよびプレゼンスサービスを実現するためのSIPの拡張規定。
- 注14:ロードバランサ(Load Balancer)
- CenterStage ASの構成要素の一つ。負荷分散機能を提供。
- 注15:プロキシサーバ(Proxy Server)
- CenterStage ASの構成要素の一つ。SIPプロトコルの呼処理機能を提供。
- 注16:ロケーションサーバ(Location Server)
- CenterStage ASの構成要素の一つ。加入者端末の情報を管理。
- 注17:MGCP(Media Gateway Control Protocol)
- IETFのRFC2705にて定められているメディアゲートウェイ制御のためのプロトコル。
- 注18:H.323
- ITU-T勧告で、IPネットワーク上で音声・画像・データ通信を行うための技術規定。
- 注19:SNMP(Simple Network Management Protocol)
- ネットワーク管理の標準プロトコル。ネットワークの構成やネットワーク機器に関する管理情報のやり取りに使用される。
- CenterStageは沖電気工業株式会社の登録商標です。
- その他、記載されている会社名、製品名は一般に各社の商標または登録商標です。
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