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2001年3月29日

新中期経営計画『フェニックス21飛翔』発表

〜 「ネットワークソリューション」を核に優良成長企業へ 〜


沖電気工業株式会社(社長:篠塚 勝正)は、2005年度に向けた成長戦略である中期経営計画『フェニックス21飛翔』を策定しました。eビジネスへのパラダイムシフトが進むなか、企業ビジョンである「ネットワークソリューションの沖電気」を具現化する事業ドメインを4つに再編し、弊社が強みをもつ事業に特化します。また、経営基盤の強化を図るために「ネットワーク型カンパニー経営」を追求し、「カンパニーの再編」、「ベンチャーカンパニーの育成」、「調達力の強化」、「生産体制の再編」を行うなど、成長戦略を支える諸施策を実行します。さらに、経営の透明性を高めるために「コーポレートガバナンスの強化」を図り、フェニックス21計画で実現した「安定収益企業」から「優良成長企業」へと質的・構造的に変革していきます。成長目標としては年平均成長率を6%以上と定め、2005年度には1兆円を越える連結売上高とROE(株主資本利益率)12%の達成を、沖電気グループ全体でめざします。

1.ねらい

1999年度から展開してきた経営再建計画「フェニックス21」は、2年間が経過した現在までに順調かつ着実に諸施策を遂行し、1999年度には連結経常利益で黒字化を達成、2000年度は復配が可能な利益を創出するところまできました。
2001年度については「フェニックス21計画」における「成果の年」と位置づけており、市場の急速な変化や、会計制度の変更、年金負担の増加などの影響が予想されますが、計画当初の目標を若干下回るものの、企業再生の目処が立ったと確信しています。
『フェニックス21飛翔』は、「フェニックス21計画」で成し遂げた成果をもとに、経営環境の変化を必要に応じ早期に反映し、2005年度に向けて「安定収益企業」から、「優良成長企業」へと変革するための成長戦略を描いた中期経営計画です。計画のキーコンセプトを「フェニックスの飛翔」と設定し、2001年度を「準備の年」として2002年度から企業価値の増大を図ります。

2.経営目標

本計画において企業成長を「企業価値の増大」として捉え、収益性と成長性の2つの要因を改善することで目標を達成します。収益性の指標としてはROEを、成長性の指標としては売上高伸長率を採用します。『フェニックス21飛翔』の準備の年でもある2001年度を基準にして、売上高の年平均成長率を6%以上と定め、2005年度には1兆円の連結売上高を計画し、12%のROEをめざします。また、財務体質の強化として、連結D/Eレシオ=1.3を目指します。

<2005年度目標>
連結2001年度計画案2005年度計画案
売上高7,800億円10,000億円
純利益90億円300億円
ROE6%12%
D/Eレシオ2.0倍1.3倍

<2005年度セグメント別目標>    (金額単位:億円)
セグメント2001年度計画案2005年度目標売上高年
平均伸長率
売上高営業利益売上高営業利益
情報(SSC+NBC+ESC+ODC)
(内プリンタ)
3,600
(1,100)
754,100
(1,250)
2803.3%
通信(NSC) 1,750702,3501807.6%
デバイス(SiSC+OCC) 2,0002803,20039012.5%
全社売上高・営業利益 7,80030010,0007006.4%



3.重点事業ドメインと成長戦略

21世紀ではグローバルに張り巡らされたネットワークを基盤に、時間や空間の制約を超え、国・地域や文化の障壁を崩し、あらゆる活動が公平で安全に行われるe社会が実現します。弊社は、これからもe社会におけるビジネス支援に必要不可欠な「ネットワークソリューション」を提供することを企業ビジョンとして掲げ、新たな事業価値を創出し、重点事業に特化することで企業成長を図っていきます。
成長戦略としては、第1に製品を中心としたITソリューション提供から、サービスを競争優位の源泉とする「eビジネスソリューション提供」へと事業を拡大していきます。今後、成長が期待されるeビジネス市場において、ネットワークの利点を最大限にビジネスに活かすデバイスから端末、ネットワークインフラ、プラットフォーム、アプリケーションまで、お客様とともにビジネス開発を行い、新しい事業を創出していきます。
第2としては、2001年度から弊社が強みをもつ4つのドメインをさらに絞り込み、それぞれのドメインで特徴を活かした戦略で確固たる地位を確立します。具体的には、市場や商品を絞り込み、そこでのリーダーシップ(指導力)をとる「ニッチリーダー戦略」、あるいは独自性・優位性の高い分野を選定し、そこでのマスターシップ(支配力)をとる「ニッチマスター戦略」です。ネットワークソリューションで定義した3つの「サービスブリッジ」は「ニッチマスター戦略」をとるドメインです。


<事業ドメイン>

  1. カスタマコンタクト(サービスブリッジ)

    金融営業店システムやATMなどで培われた顧客へのサービス提供の接点となるシステムを中核とし、弊社の顧客基盤である金融や旅客交通、あるいは官公庁などの市場を対象に、顧客マネジメントやバックオフィス業務処理を支援するバックヤードシステムとも連携し、B2BおよびB2Cをはじめeビジネスで求められるカスタマコンタクト・ソリューションを提供します。特に、金融再編の中にあって、地方銀行をはじめとしたリテールバンク向けのeチャネルや金融ネットワーク、事務センタの共同化などに注力していきます。また、トップシェアのATMでは、さらにシェア拡大を図るとともに、他の市場への展開も加速します。さらに、ATMや専用端末などの運用監視サービス事業にも力を入れます。
    本ドメインは主にシステムソリューションカンパニー(SSC)が担当します。

  2. マルチメディアメッセージング(サービスブリッジ)

    「CTstage」で高い実績を誇るCTIやVoIPなどのコンピュータテレコミュニケ−ション技術をコアに、インターネットや携帯電話、FAX、ボイスメールなど様々なコミュニケーションメディアを統合し、パーソナル・モバイル時代に求められる安全で確実なメッセージング・サービスを実現します。本市場は、企業向けからネットワークサービスプロバイダ向けに急拡大することが予測されます。資源を集中的に投入することで、市場のマスターシップを確立して、成長に大きく寄与することをめざします。
    本ドメインは主にネットワークシステムカンパニー(NSC)が担当します。

  3. ネットワークトランザクション(サービスブリッジ)

    ネットワークを介した取引や情報交換に欠かせない決済やセキュリティについて特色あるソリューションを提供し、eビジネスおよび電子政府の実現を支えるネットワークトランザクションのプラットフォームやアプリケーションを提供します。また、製造業の分野においては基幹系システムのトータルソリューション「MAI(Manufacturing Application Integration)」を提供し、製造業に求められる様々な業務や取引を統合して効率的な企業活動を支援します。
    本ドメインは、ベンチャーカンパニーであるネットビジネスソリュ−ションカンパニー(NBC)、エンタープライズソリューションカンパニー(ESC)およびSSCが担当します。

  4. ネットワークインフラ

    ブロードバンドIPネットワーク時代に向けて、ネットワーク技術を核に、今後の成長が期待されるエッジネットワーク機器や、弊社が得意とする光コンポーネントを組み込んだ光アクセス機器を開発し、ユビキタスネットワークの実現に求められる多種多様なシステムを提供します。
    本ドメインはNSCが担当し、企業や通信キャリアにおける需要が急拡大しているIPネットワークの統合的な構築・運用サービスについては、沖電気グループの(株)アイピイ・ネットが担当します。


<ネットワークソリューションを支える事業>

  1. プリンティングソリューション

    ページプリンタはカラー時代を迎えて、市場は急速にグローバルに拡大してきています。他社に先駆けて小型・高速化を可能とするLEDヘッド方式のカラーページプリンタを開発した技術力をベースに、今後ともカラーページプリンタに特化して製品開発を進め、市場ニーズに対応した製品を提供していきます。さらに、出荷台数の拡大に向けてOEMも含めたアライアンスも進めます。また、SIDM(シリアル・インパクト・ドット・マトリックス)方式のモノクロプリンタについては、成長が見込まれる中国市場にも本格的に参入していきます。
    本ドメインは分社カンパニーである(株)沖データが担当します。

  2. シリコンソリューション

    レガシーDRAMおよびロジックLSIシフトの成功によりLSI事業は十分に復調しました。今後は「デジタルコミュニケーション」を旗頭にして、モバイル・パーソナルの時代に求められるシステムLSIやシステムメモリに注力して、LSI事業をさらに成長させていきます。DRAMに関しては、弊社の独自プロセス技術を最大限に活用できる特定アプリケーション向けDRAM(ASDRAM)に特化します。本事業は、重要顧客との間で長期販売契約を締結することにより安定した事業運営を行います。
    本ドメインはシリコンソリューションカンパニー(SiSC)が担当します。

  3. 光コンポーネント

    光ネットワーク市場の急拡大にともない、早くから弊社が取り組んできた光コンポーネント事業も急速に立ち上がりつつあります。既に有力な顧客を確保している北米でのオペレーションを強化して、GaAs半導体や光モジュールをはじめとする得意な分野に資源を集中して、高成長を実現します。
    本ドメインはオプティカルコンポーネントカンパニー(OCC)が担当します。

4. 成長を支える経営施策

『フェニックス21飛翔』の成長目標を達成するために、「ネットワーク型カンパニー経営」を軸として、事業成長の原動力を強化するとともに、自己革新を図り、企業価値を高める風土を醸成する諸施策を実施します。

<ネットワーク型カンパニー経営>

2000年度からカンパニー制を導入していますが、2002年度からは、さらに効率的な経営体制の実現を目的にカンパニー制を発展させた「ネットワーク型カンパニー経営」をめざします。ビジネスモデルや、ビジネススピード、ビジネス規模の異なる、大小様々なカンパニー群が共存しながら事業運営を行い、効率的な経営を実現していきます。また、事業の選択をさらに厳しく実行することにより、全体最適な経営を実現します。

  1. SSC/NSCのカンパニー再編

    ネットワークソリューションの基盤的な事業を担っているSSCとNSCを2002年度には融合・再編します。これにより、競合他社が真似のできない事業をスピーディに創出していきます。

  2. ベンチャーカンパニーの育成

    現在ベンチャーカンパニーを3つ設立しましたが、さらに10程度まで増やしていく予定です。そのうちのいくつかは分社化し、さらにはジョイントベンチャー化も検討します。
    また、1999年10月に設立した(株)アイピイ・ネットの位置づけを見直し、2001年度中には分社ベンチャーカンパニーとして、統合ネットワークサービス事業の拡大を図ります。

  3. 共通機能のシェアードセンタ化

    人事、経理、財務、ITなどのグループ共通の業務機能に関しては、シェアード化あるいはアウトソーシング化することにより、小規模なカンパニーやグループ企業の事業遂行を支援していきます。既に、人事関係では(株)沖ヒューマンネットワークを、IT関連は(株)沖インフォテックを設立してきました。2001年度には経理関係のシェアードセンタを設立する予定です。

  4. 新経営評価基準「ハードル指標」の導入

    企業価値の増大を図るために、収益性と成長性という評価基準を設定し、事業の選択を進めていきす。事業の収益性についてはROEを採用します。既存事業は、沖EVA(Economic Value Added;経済的付加価値)とFCFで判断し、一定のハードルレートを越えられない場合は厳しく選択していきます。一方、新規事業については、3年間の成長性を評価します。一定の売上高伸長率を維持できない場合、あるいは収益性の確保が見込めない場合には、その事業を収束させます。


<事業成長の原動力強化>

  1. 事業開発力の強化

    企業成長の原動力として事業開発力を重視していきます。研究開発投資を7%に増強するとともに、CTOの指導のもとに研究開発テーマの絞り込みを強力に推し進め、コアとなる技術や商品の開発を加速します。また、ベンチャファンドを創設することにより、米国を中心とした先端的なベンチャー企業から技術や商品を導入しやすくします。さらに、研究開発本部が中心となり、先進技術を活かすビジネスモデル研究を行い、ビジネス開発を推進していきます。

  2. 調達力の強化

    競争力の源泉のひとつは調達力です。調達の対象は、部材だけでなく、他社製品や役務など、幅広く存在します。現在、カンパニーには調達に責任を持つ調達センタをそれぞれ設置していますが、2001年度からは全社を挙げて調達力の強化を図ります。WebEDIやマーケットプレースなどのe調達を活用して、2005年度までにグループ全体で各年10%の調達コスト低減をめざします。

  3. 生産体制の再編

    • 装置生産の海外移管
      ハードウェア製品の競争力強化のために、ATM(現金自動預払機)およびネットワーク機器、プリンタなどの装置生産を海外にさらにシフトします。既にATMの一部は中国での委託生産を開始していますが、2001年度中には、装置全体の製造を中国に移管します。また、プリンタでは、タイ工場に加えて、2001年度から中国でSIDM生産を開始します。
      さらに、国内工場については、試作開発力強化、短TAT等実現のため再編を行います。特に高崎や本庄をはじめとする北関東圏の工場については2002年度から生産カンパニーを設立し、EMS(Electronics Manufacturing Service;電子機器受託製造サービス)事業も視野に入れていきます。

    • 次世代LSI工場
      他社とのアライアンスを前提に「中先端」の次世代LSI工場を建設する計画です。世界標準プロセス技術に準拠しながら、弊社独自のプロセス技術を組み入れ、低電圧で低消費電力といった特徴をもつ弊社LSIの競争優位性を強化します。
      また、膨大な投資が必要となる最先端LSI工場の建設については、東アジア地域のファンダリー会社との提携を強化し、システムLSI等の生産拡大に対応していきます。

  4. 人的資源の再配置

    フェニックス21計画では2000年度末までにグループ人員を約3900人削減しました。2001年度からは、事業構造の転換やビジネスモデルの変革に即して、従来の施策を加速させ、技術部門・製造部門から営業・SE、あるいはサービス部門へと職能間でのシフトや、事業間、さらにはカンパニー間でのシフトを進め、年間1000人程度の職種転換を継続的に図ります。


<経営基盤の強化>

  1. パフォーマンスマネジメント

    2000年度から業績評価指標としてバランススコアカードを導入し、業績向上を図るとともに、これに連動した業績評価による賞与決定方式も実施しています。2002年度以降は、今後ますます重要性の高まる知識ワーカーを対象に、活動レベルでのパフォーマンスマネジメント手法を新たに採用した知的労働に対する最適な業績評価に取り組んでいきます。

  2. 人材マネジメント

    社員の適正な処遇を実現し、また社員のパフォーマンスを向上させる人事施策として導入したコンピテンシーモデルおよび職務グレードを2001年度から実施します。また、今後ますます重要視される社員教育を強化するために、2000年度から開始している「フェニックスフォーラム」を強化します。従来から実施している社員教育体系をもとに、企業ビジョンや価値観の共有、経営幹部養成のための変革に対するリーダーシップの強化、職種転換に向けた新たなコンピテンシーやスキル、知識の獲得(社員の能力向上)を柱とするカリキュラムを開発していきます。

  3. ブランドマネジメント

    企業価値の増大にはブランド価値も大きく寄与します。e社会に貢献する企業として「ネットワークソリューションの沖電気」のコーポレートブランドを確立するために、2001年4月にコーポレートブランド室を新設し、コーポレートブランド戦略の立案・実行を推進します。

  4. 環境マネジメント(エコプラン21の強化推進)

    環境マネジメント施策としてエコプラン21を実施し、ISO14000の取得、環境報告や環境会計などを行ってきました。今後は、使用済み製品リサイクル率を2002年度末までに96%以上に達成し、ゼロエミッションを2004年度までに99%以上にするなど、さらに目標を高く設定して環境にやさしい企業をめざします。


<コーポレートガナバンスの強化>

  1. 社外取締役の任用

    2001年度から社外取締役を1名任用します。将来的には取締役の1/3を社外から任用し、経営全般に対して社外の経験豊富な有識者から客観的な幅広い助言を得て、経営の透明性および客観性を高めていきます。社外取締役にはソニー株式会社取締役副会長の森尾稔氏を招聘します。(6月の株主総会にて選任)

  2. 経営諮問委員会等の設置

    CEOの諮問機関として「経営諮問委員会」および「報酬委員会」を設置します。経営諮問委員会には、弊社の代表取締役3名の他に、社外取締役と外部からの招聘委員2名が加わり、経営課題を社外の有識者の方々からも幅広く審議していただきます。社外委員には、明治大学教授の高木勝氏と東京大学教授の須藤修氏を招聘し、四半期ごとに年4回程度開催していきます。第1回「経営諮問委員会」は2001年7月を予定しています。
    「報酬委員会」は、取締役や執行役員の報酬体系をより業績に連動したしくみに改革していくことを目的に新設するものです。代表取締役と人事担当役席が構成メンバーとなり、第1回の「報酬委員会」は5月を予定し、年2回程度のペースで開催していきます。



   2001年3月29日説明会資料(PDF611K)



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